School Days

ブランド: Overflow
4 ~ 5 話の抜けを補完して多分コンプ。
よくある学園を舞台にした恋愛ものと見せかけて実は修羅場ったり虐められたり寝取られたり血飛沫飛ばしたりする泥沼三角関係ゲームというギャップで話題になっただけはあって、それらについては評判通りに楽しめました。しかし 1 つのお話しとして全体を見ると、先に挙げたシチュエーションの寄せ集めなだけで「修羅場ったりもしたけど、わたしは元気です」の一言に集約されてしまいます。どう足掻こうが泥沼路線へ行くことが定められているため、主人公の言動がこちらの斜め上を行き過ぎているのが多分原因です。
基本的に主人公はこちらの意図通りには動かないと思って良いです。選択肢通りに行動しているようでいて、常に泥沼へ飛び込もうとしています。言葉寄りの選択肢を選び続けて展開も言葉寄りになっているのに突然、「これ以上、本当の気持ちを黙っていられないんだ!」とか言い出した時は悪い電波でも受信したのかと半ば本気で心配しました。
主人公の言動の一貫性の無さ、しかもそれをこちらでコントロールできない歯痒さ、この二つがシナリオを薄っぺらく感じさせる要因かと。心情描写などがほぼ無いため、後先考えない思いつきで行動してるように見えてとっとと刺されろと普通に願ってしまいます。
構成は全 6 話、1 話はプロローグなので 2 話より各話が 2 ~ 3 ずつ樹形図的に分岐していきます。そして各話のサブタイトルは各話毎のスタッフロール時に分岐結果に基づいて表示されます。選択肢で大きく展開が変わるものは当然として、ちょっとしたシーンの有無だけの違いしかなくても別のサブタイトルが割り当てられていたりするので、自力コンプを目指すならメモは必須です。
各話は音声を全部聞いて 20 ~ 40 分前後。といっても全編アニメーションの本作は選択肢以外のテキスト表示が一切ありませんので、嫌でも音声を聞かないと話の流れがわかりません。ちなみに男の喘ぎ声についてはオプションでオフにできます。あんなに情熱的な男性の嬌声は劇場版エヴァ以来でちょっぴりウホッな気分でした。
肝心のアニメーションのクオリティは寄り気味の構図と引きの構図との差が目立ってました。主に悪いのは後者の方で、アジアの同胞パワー炸裂な作画もちらほらと。勿論寄り気味の構図で、汎用ではなく一回限りのシーンでも作画が崩れていた箇所はありましたけど。OP も本編中のシーンを組み合わせて作成されてます。
音楽は OP 、ED 、挿入歌合わせて計 8 曲ものボーカル曲入りという 1 本のえろげに対する投資としては無謀すぎる豪華さです。しかも全部お任せの完全丸投げではないらしく、本編を意識した詞も相まって雰囲気作りに大きく貢献してます。この辺りは横の繋がりの強さがものを言いますね。
えろげでアニメといえば一番力を入れるのは H シーンなはずですけども、こっちはこっちで微妙さがあります。シーンの絶対数自体がさして多くないこと、演出面を重視して構成していること、クリック待ちという概念が存在しないため割と早く終わることの 3 つが主な問題点。特に二つめと三つ目は、下手すると主人公の面を見ながらということになりますから実用性を求める向きにはいたく不評なんじゃないかと。
システム的には以前、PS であった「やるドラ」のえろげ版と思って良いです。アニメーションの質やシーンの使い回しの多さとか全体の完成度といった面ではやはり負けてますが、えろげで「やるドラ」をやろうとした心意気は素直に賞賛します。
完成度といえば、せめてエンディングリストやサブタイトルリスト等の達成度を確認できる手段ぐらいは用意して欲しかったです。一番痛いのがリプレーのしにくさ。単純なスキップはできても、未見シーンでの停止や巻き戻しはできません。「一つ前の選択肢に戻る」だけでもあればリプレーも攻略ももっと容易かったでしょうに。明らかに見たシーンは最高速スキップ、自信の無い時は音声が二倍速再生される二倍速スキップというスタイルだと、取りこぼしがありそうで非常に不安です。
開始時点で修正パッチ 1.03 が出ていたお陰か、バグには特に悩まされませんでした。唯一困ったのは 1.05B でプレー中、主人公の音声だけが再生されないシーンがあったときです。前述した通り本作にはテキスト表示が一切無いため、音声がないと話の流れが掴めません。

よかったところ
常に一途な言葉と唯一の良心である刹那、人間の黒いところを真っ黒く描くシナリオ
わるかったところ
主人公の理解に苦しむ言動、完成度の低さ

基本的に「悪い」キャラはいません。いるとしたら「黒い」キャラです。世界も言葉も良い感じに黒いです。人間の嫌なところ集大成のようなシナリオを渡り歩くんですから当然と言えば当然ですけど。
主人公の言動にツッコミを入れながら、修羅場あり虐めあり寝取られあり血飛沫ありのアニメーションを楽しむ精神的余裕があるのならお勧めです。書き忘れてましたが寝取られる対象は主人公といった方がしっくりくるような気が。
間違いなく Overflow 久々のヒット……となりますがファンディスク商法に走ってくれるでしょうか。

コメントを残す