PP ピアニッシモ 操リ人形ノ輪舞

ブランド: InnocentGrey
今更ですけど、サブタイトルのまんまですねこれ。実に的確。あとプロローグの伏線も CG 見直すまで完全に忘れちゃってました。人間の注意力と記憶力なんてこんなものですか。
ジャンルとしてこれをミステリーと呼ぶべきか否かは前作に続いてやっぱり微妙。20 歩ぐらい譲ってサスペンスですか。それも安っぽい目の。殺人の濡れ衣を着せられたと思ったら、さあ我こそは怪しくいかがわしい組織ですよと全身でアピールする連中が近付いて匿われたりするあたりには目を瞑りましょう。暫くして目を開ければちょこっと意外な――ある意味、反則的な――展開に。お約束を真っ向から否定する、なかなかチャレンジャーなネタでそれだけでも注目に値する気がするのですが、どうも市井の評判は低空飛行のようです。総じて評するか部分点に拘って評するかの違いなのでしょうけれども。
確かにお話しとしては少々オチも押しも弱かったのは否めません。相変わらず主人公活躍しませんし。お尋ね者とはいえ、ここまで能動的に行動しない主人公てのも珍しいです。予定調和の名の下に進んで終わるという言葉がしっくり来るシナリオ展開は再考の余地有りでしょう。
しかし、あの反則ネタと、それを為したキャラの腹黒さ――いや、不遜なまでの計算高さは高く評価したい。嫉妬や愛情の裏返しといった感情的なものではなく、思い通りに事を進めるために利用する冷酷さを、全ての真相が暴かれるネタバレルートまで匂わせつつも絶妙に伏せていたのは見事。エロゲ批評空間の感想で悪魔呼ばわりされるだけの事はあります。
舞台としては昭和初期、戦前てことになってますがどう見ても戦前の人間じゃないだろ君ら的なのはお約束。昭和と聞いてまず思い浮かべるのは淀んだ退廃的な空気なのですが、あまりそういうのは無さげです。悪くはないのだけど雰囲気ゲと呼ぶには弱い。
CG は simo 氏が関わっていた前作と比べるとやはり多少見劣りしてしまいます。一歩抜きんでていたのが一歩下がって普通レベルになってしまいました。それでも水準以上ではあるのですが。
音楽は無駄に力入れてます。BGM 、ボーカル曲含め名曲揃いで、LittleWing 好きならサントラの為に 1 本買うのも有りかと。

よかったところ
冷酷に腹黒いキャラっていうのが琴線触れました。あとは容赦なくキャラが死んでいくあたりですか。
わるかったところ
「やれやれ」と「五月蠅ぇ」が口癖の主人公とラストシナリオの呆気なさ、あとメインのシナリオがもう少し頑張ってくれればさらに面白くなっていたでしょう。

シナリオライターの過去の担当作を見たときには正直、吊りたくなりましたが冷酷腹黒キャラのお陰で持ち直しました。

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