殻ノ少女

殻ノ少女 [Innocent Grey] 素直に負けを認めて攻略頼ってコンプ。ノート片手に出現キャラやイベントをメモったりする往年のプレースタイルなら何とかクリアできるのかもしれませんが、温いヒロイン選択後一本道ゲーに慣れてしまったこの身には少々辛いのです。敢えて難易度を下げるパッチ未適用の PureMail でコンプを目指したりしたのは遠い過去。
トゥルーエンドらしきものも見ましたが、何というか実にコメントしにくい。一見、全然纏まって無く色々とわからないまま放置しているように見えますが、ていうか事実そうですが、そんなことは結局些末なことでしかなく。あのエンドが示したいのはただあのラストカットだけだったのだと思えば、下手に描写するのはかえって余韻を阻害するように思います。
すっかり斜陽ジャンルとなった探偵もの……と呼んで良いのか相当疑問符がつきますけど、昭和中期の東京を舞台にしたサスペンスものという趣味が入ってないと企画自体通りそうにないシリーズ物三作目。作品間の関係はなく、登場人物が後付けで実は知り合い程度、の割に今回はカルタグラのキャラが割と出てます。やはり二作目は黒歴史なんでしょうか。
普通の作品では恐らくヒロイン級に近いキャラでもばっさばっさと容赦なく、しかもシナリオ上の必然として回避不能で殺されまくるというお約束は今回も踏襲。後味の良い、ハッピーエンドなんて期待してはいけません。それでも一応、生き残るキャラはいるのでそのキャラとの関係が深ければイベント CG が拝める程度のサービスはあります。ただ本当にそれだけで、キャラ別エンドと言うほど分岐することはなく、バッドエンドか幾つかの後味悪いノーマルエンドのどれかが基本。
システム面では、画面クリックによる捜査パートと収集された情報を元に推理を組み立てる推理パートなんてのがあります。古来より多くの先人たちが頭を捻っては叩かれてきた、推理系ゲームに見られる試行錯誤の中では割と健闘している……と思うんですが、もう一工夫欲しいなと。全コマンド総当たりといった無駄はないものの、逆に言うと重要フラグを回収しなくても先に進めてしまうところはヘタレた頭を鍛え直す意味で面白かったと思えるんですが。いわゆる古典的な ADV への先祖返りと見れば何も間違っちゃいないはずなのに、何かこう違う気がします。
単純な ADV のように選択肢の結果が即ルートに反映という生ぬるい構造ではない上に、分岐条件や立つフラグがわかりづらいこともあって難易度は高めです。特に CG 回収は相当辛いはず。一周がやや長いこともあり、これにはちょっと参りました。
手放しで喜べるような明確なハッピーエンドはないものの、多数の登場人物を絡めて収束していくお話は十分楽しめました。カルタグラは過去が重要な癖に掘り下げがいまいち足りず、PP は蓋を開けてみたらアレですかという凄まじいオチつき、やっと三作目にして、読めるテキストで面白い話がみれたなと。
魍魎の匣のオマージュとか以下略とか言われる程度にネタが被っているそうですが、幸いというべきなのか未読なんで何とも。逆に魍魎の匣というタイトルから、多分ああいうシーンとか展開があるんだろうなと想像はついてしまいますが。

よかったところ
希少な探偵ものの佳作
わるかったところ
紫エンドが無いのはどういう了見かと

後味は鬱ゲとかいうほど陰鬱なものでもなく、むしろ何かが残って何かが去るという奇妙な寂寥感ってとこでしょうか。安易なハッピーエンドなんてあったらかえって作風を乱す気さえしてきます。
ああでも、妹の紫エンドがないのは本当に何とかならんのかと思うぐらいに紫は存在感があったので、ちょっとしたエピソードぐらいは欲しかったですね。

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