6周目、7周目といってやっとコンプ。
どう見ても真ヒロインなメアの扱いがちょっとどころでなくオマケルートっぽい扱いですが、そこは仕方ないところですかね。えろげ的には必要だけど、お話的には不要な感じだし。
どうせよくある学園もの、すぐに終わるさとタカをくくってたのに予想外に難航しました。いや単純に長いって話ですが。そもそも共通ルートの時点で、あれ、いつの間に分岐したんだっけと思ってしまうような一山がありますし。
構成は顔見せの共通ルートを経てやっつけ選択肢で分岐、個別ルートで大きく盛り上げるという基本フォーマットに従わず、共通ルートの時点で一山作ってキャラを立て、個別ルートに分岐してまたもう一山、二山って感じなので共通ルート込みだと普通の倍近いような感じが。
さらにどうせサブキャラだろうと諦めていたキャラにもルートがあったり、共通ルートが長いと個別ルートが短くなる法則も発動したりしないので、全体のボリュームはかなり大きめです。
お話の傾向としては SF っぽいお伽噺系のファンタジー。北欧神話を題材にした学園異能バトルとかはやりません。しかし、SF っぽさを出そうと一生懸命に説明台詞を織り込むのはどうかなあと。一部シーンがあまりに説明調なので、説明好きのお姉さんを登場させるか説明する必然性を出すかぐらいは捻って欲しいところです。
個々のお話としては小綺麗に纏めてるというのか、山を作って谷を作ってオチを付けて、と一通りの地形は綺麗にできてると。ただ、基本的に先の読みやすい、そして先を読む気にさせるテンポとお話なので振り返ってみると何処が一番高い山だったのかが見えにくい。
それが特に顕著だったのは千波ルートで、肝心の千波と主人公との関係とその変化を描ききれず、要するに設定説明のためのルートですかと勘繰りたくなるようなお話でした。ウザ可愛いという言葉を初めて使ってみたくなるほど千波はそこそこに好きなキャラだっただけに何とも残念。
個別ルートで伏線を新しく張ったり逆に回収したりと、横の繋がりを持たせて徐々に集束していく、という最近あまり見られない作りだったのは素直に嬉しいところ。目の前という手頃な距離に餌をぶら下げてくれる方が楽しめるし、やる気も湧くってものです。
全体として平坦とまでは言いませんが、もうちょっとだけ圧縮して盛り上げるべきところをはっきりさせてやった方がより深く楽しめるようには思います。
CG は汁気の描写だけがやけに綺麗というか気合いは入っていたような。ただ、枚数のキャラ配分はこれで正しいのかちょっと疑問。
表情差分や立ち絵は必要十分と言うほどに揃っているのでその辺で不満が出ることは殆ど無いはず。背景含めて、抑えるべき基本点は一通り抑えてしまってます。
システムは拡大縮小、スクロールといった処理がやけに軽快に、そして安定してぐりぐり動くのが良い感じです。拡大率を自分の好きなようにいじれたりするのは実に親切。
- よかったところ
- 日常シーンのギャグでちゃんと笑えるところ、サブキャラっぽくてもルートがあるところはありがたいです
- わるかったところ
- ちょっと未回収の伏線があったり、SF っぽくしたいのか説明台詞乱舞だったりしたのはもう一工夫欲しいものです
ギャグのシーンで笑えるかどうかってのは結構重要な点だと思います。要するにライターのセンスを自分が受け入れられるか? ってことですから。
予想外にボリュームはあったし、また予想以上に楽しめてしまったので良作と言って良い一作だと思います。約 1 年振りに掘り起こした甲斐があったというもの。
なのに、新品では既に買えない上に中古も程よく高騰気味というのが何とも……。こういうのがあるから、積むとわかっていても買っちゃうんだよ。
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