素晴らしき日々

予想外に手間取りつつもコンプ。

好きな人は好きらしい「終ノ空」のリメイクって時点でかなりの色眼鏡を掛けていたはずなのに、終わってみたら面白いと思ってしまうのが本当に悔しいと言いますか。はいはい、正直言って負けました。まさか 10 年越しにケリを付けられるとは。

逆に言うと「終ノ空」に拘り続けていたからこそ、上手く乗せられたというのかな。すかぢはリメイクじゃないと言っているそうですけど、どう見ても「終ノ空」だよねえ……と思ってしまうのが最大の罠。題材としただけの完全新作と見るべきです。

前半はほぼ、「終ノ空」の通り。何故か百合百合っとした新要素が混じってますが。大筋は当時のまんまであるものの、細かいところで現代風に書き直されていたり追加されたりと修正はされてます。ただやっぱり「終ノ空」にあったような電波ノリとか、哲学者の著書を引用してぐだぐだと語ったり異常に博識だったりという衒学的ないやらしさは健在なままです。これは内容をほぼ知っているだけに余計に辛い。端的に言えばつまらんと言うか。

しかしそれらは大きな山を乗り越えるために必要な坂道の一つ。前半の低評価ぶりを乗り越えてこそ、後半の展開がより面白くなると言うもの。様々な伏線や不整合から、だいたいネタの見当は付いていたもののさらにその斜め上気味を行かれてしまったので余計に面白く感じてしまいました。

結局は「終ノ空」かよって感じで納得いかない部分も多少あるものの、メインのお話が面白かったのは否定できませんし。前半と後半で、ここまで評価を変えざるを得ない作品というのは珍しいです。電波とかふたなりとか鬱エンドとか百合とか、ハードルを引き上げ過ぎな感はありますがそれを乗り越えていく価値はありました。ちなみに私は電波以外は問題なし。

衒学的に感じてしまう、何のために引用しているのか分からない話や言葉とかはちゃんと伏線の一つ一つになってはいます。後半を過ぎる頃にはああなるほどと思うのは不思議なものです。

ただもうちょっと、ハードルを引き下げるというか親しみやすさは出しても良いと思うのですが。たとえば文学少女だと、遠子先輩のキャラクタが文学作品という字面からして敷居の高そうなものを身近な言葉で語ってくれるから、そこに触れる手を伸ばしやすくしてくれたと思うのです。もうちょっとそういう、インターフェイス的な存在があれば多少は敷居の高さも低くなる……ような気がします。人を選ぶ要素てんこ盛りなので効果ないかもですが。

CG や演出は普通というか並み程度。もっと枚数注ぎ込んでも良いだろうに。特に百合とか百合とか百合とか。基本的にあっさり風味の描写だからせめて枚数ぐらいは、と思いたいのですが。あと H シーンの CG になると妙に崩れて見えたりするのはちょっと気になりました。

音楽モードはありますが、ボーカル曲は全く聞けないという残念仕様。ご冗談でしょう?

よかったところ
ようやくケリが付いておめでとう
わるかったところ
前半で挫けそうになる敷居の高さ

いわゆるテンプレ通りのお話に飽きていて、ある程度広い心を持っているならやっておくべき作品です。ボリュームは結構ある上に、途中で止めても不完全燃焼以前で意味不明なので一息にやるのが最良。

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