処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~

淡雪、香織理さん、ケイリ、そしてオマケを一通りやってほぼコンプと。オマケのその 3 は手間掛かりすぎるのでちょっとスルーで。

淡雪、香織理さんは共通ルートの時点でネタ振りしてくれていたのですが、神秘的というイメージだけしか作れてなかったケイリは流石に個別ルートの唐突感が大きい。唐突なのは今さらだけどこれはまた大きく出たなと。

さて纏め。

前作をきちんと踏襲した、今時珍しささえ感じる正統派な続編です。同じ舞台、同じ設定を使った本当の二番煎じ物でこれほど違和感無く、前作キャラに引っ張られない新作としてキャラを動かせるのはこの独特な雰囲気作りの巧さ。当然、前作キャラの名前やイベントを軽くちらつかせるファンサービスだって心得ています。

しかしそれだけに、前作と全く同様の問題に陥っているのが口惜しいところです。女装して潜入した学園社会での生活が主題であるため、共通ルートは学園でのイベントが主。するとどうしても個別のイベントを挟むタイミングが限られていき、結局個別ルートが分量的にかなり短く、また唐突としたものになってしまう……というのは致し方のないところではあるのですが、もうちょっと妥協点を見出して欲しかったとは思います。

以前にも書いた気がしますが、端的に言うとやっぱり、ショートストーリーだと上手いのに中編や長編になると纏めきれないというパターンに嵌ってるように見えます。雅楽乃や淡雪、香織理さんといったあたりは中盤でも少しずつネタ振りしていたお陰で、それほど唐突感はなかったのですが薫子さんとケイリはちょっと急展開に過ぎる物が。

あと何気に、重いテーマを色々扱っているのにそのオチの付け方がちょっと甘く、弱い物をもの感じます。もっと掘り下げられる余地はあったと思いますが、それやっちゃうと明らかに個別ルートのボリュームが倍になりそうなので敢えて見送り……ってわけでもないよなこれ。中盤あたりから、どうも力尽きたっぽい雰囲気を僅かに感じるので色々な制約の中でベストを尽くした、ってとこでしょうか。

2 人のエルダー、という重要なテーマについてもちょっと掘り下げが甘い。むしろ薫子さんルートではそれをネタにしても充分面白くなりそうだったのに、実に勿体ないものがあります。

今回は多くのキャラが大変魅力的に描かれ活躍しますが、サブ含めたキャラをできるだけ平等に扱おうとして、かえって誰も目立てなくなってしまってるようにも見受けられます。エルダーである薫子さんだけは、千早の相方として特別扱いされても良かったと思うのですが。個別シナリオのあるメインキャラ達の中で、特に秀でたキャラが今回は不在だったという指摘は興味深い。

一応、このジャンルのお約束として学びの園に咲く百合の花を期待してたのですが、結論から言うとそっち方面は素直に期待しない方が良いですよと。本当にオマケ程度、女装主人公が正体を明かせず百合っとしてしまう倒錯的なもの無しと。

千早お姉さまは基本、H シーンのとこじゃ男声、男言葉に戻ってしまいます。絵の方は一応、女装した千早ちゃんが無理なく入る構図にしてくれているのに。

選択肢は中盤あたりに散在しており、選択結果により分岐するという構造ですが一つ二つで即分岐というほど甘い作りにはなっていません。一応のヒントとして、選択結果で好感度がプラスになるであろうキャラの SD 絵が出てきますが、それだけが条件ではないあたりが曲者です。

恐らく、1 人ずつではなく予め決められた 2 人セット単位でフラグを潰していく必要があるのでしょう。途中の通過イベントでの登場キャラも分岐の判定条件になるようなので、一箇所でミスると史エンド直行です。というか史エンドはやっぱり汎用エンドみたいな扱いで、ミスると行くようになってるようです。

選択肢ジャンプ、直前選択肢戻りといった機能はありますが、結局ミスるとやり直しになるのでクイックセーブ、クイックロードも欲しかったとこです。

よかったところ
ちゃんと学園での生活が主となっている、雰囲気の良い学園もの
わるかったところ
個別ルートによっては、ちょっと唐突に過ぎるものがあります

舞台は勿論、サブキャラ含めて本当に魅力に溢れていただけに、ちょっとした粗がどうしても目立ってしまいますが、前作が面白いと感じたならやっておくべき一作です。

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