君の名残は静かに揺れて

ざっと纏めとして。

FH のスピンアウト作品ということで、FH のキャラを受け継ぎつつも色々と無かった事にした、もしものお話です。要するに茉百合さんファンディスクってとこなんでしょうが、本編に対するアフターやエピソードの追加ではなく最初の設定そのものを変えた仕切り直しという形は珍しい。より深く、より焦点を絞るためにはいい手です。ファンディスクってやつは、このぐらいの深掘りをしてくれる場であって欲しい。

FH 本編をやっていた方が楽しめるのは事実なものの、やっていなくても問題ないように端折らず作られているのは好印象です。前作だと設定集か Web の紹介を読まないとわからなかった、制服が二種類ある理由だってちゃんと作中で説明してくれてます。

スピンアウトと言ってもシナリオが茉百合さんに絞られているだけで、話の流れは本編に近く (流れが似ているだけでイベントの重複とかは無し) 、普通にクリックし続けてればくっついてくれる訳ですが話はむしろそこからが本編です。

つまりごく普通の恋愛ものとして作られた前作だとそこで終わっていたのを、ちゃんとその残り含めて書ききったのが本作と。前作のシナリオでは全体構成上の都合もあったのか説明不足なところや行動に謎なところがあり、今回は神様視点も導入してきちんと描くようになっています。

お話は古典的と言って良い程のお約束なシチュエーション。どうやって大団円にするのかと思えば一癖も二癖もある白鷺家の面々と秘密で、平日だというのに止めるタイミングを見失うほど引き込まれるものでした。こんなどうしようもなくありがちなシチュエーションでも、次を読ませたくなる餌をきちんとぶら下げる事で引っ張り続けられるものなんですねと妙な感心さえ抱きます。

このタイプは取って付けたかのようなハッピーエンドに行くパターンがありがちなのに、完全に大団円って訳では無いけど読後の清涼感と爽快さが心地良いという絶妙なところをしっかり突いてくれました。結局はあれだったのに、こんなに綺麗に終わって良いんでしたっけというような。

どうせならバッドエンドもオマケ程度じゃなく、頑張って欲しかった気がするけどただの鬱エンドになりますね。

よかったところ
茉百合さんに踏んで貰えました
わるかったところ
詩織さんだけ、何考えていたのかよく分からないキャラに

そもそもこれを崩したくて FH を発掘して崩したのに、何だかんだと浮気して遠回りしちゃいましたがやっとこれで終わりと。FH だと不完全燃焼気味だったのがやっとすっきり萌えたと言いますか。茉百合さんかわいいよ茉百合さん。反則だろうってぐらいに。

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