ゴスデリ

一周して H シーンも追加分含めて見終わってコンプ。

色々考えましたが、多分にネタバレ要素が多そうなので一応分けておきましょうか

結局のところ何がしたかったのか、に尽きる作品だと思います。

一見、厨二異能バトルもののように見えますが、敵は少ないし、描写は温いし、そもそもそういうシーンが最初と終盤だけしかありません。熟語にルビを振る「厨二っぽさ」はありますがそれだけで、それ以上の厨二臭さは無いとも言えます。というのも主人公自身が既に成人した教師ということもあり、そういう要素を求めると肩透かしを味わいます。

かといってゴスロリ幼女や教え子との想いを育む学園ものでもありません。まあちょっと、それっぽい日常シーンもありそうでしたけど、何故か同僚と仲良くなりそうな雰囲気が中盤では描かれています。

はい、ここまでの時点でもう、ゴスロリ幼女がバトルする何処かのローゼンメイデンっぽいものを期待した人はお引き取り下さいってことになってます。

残るものは結局、本作で一番分量を割いて描かれた教師像を巡るお話。えろげとしちゃ (ちゃんと掘り下げたものとしては) 珍しいテーマで、何処の学園ヒューマンドラマだよってノリですが時間をかけただけあって一応読める内容ではあったと思います。

では何が問題かというと、結局そのヒューマンドラマっぽい部分以外の要素や話がただのお飾りと成り下がってしまっているところかと思います。さも何かの秘密を握る重要キャラのように登場させておきながらその後一回だけしか出てこず、本当に何もしていないキャラとか、思わせぶりな目的だか野望だかの説明台詞だけしか実質出番のないラスボス「っぽい」キャラとか、言葉だけ踊らせてまともな説明を一切しないとこだとか、上げればキリがないと言いますか、むしろただの蛇足になっています。

色々と詰め込んだ雰囲気ゲーを作りたい気持ちは分かりますが、まずはきちんと広げた風呂敷を綺麗に畳む事を目指すべきでは。広げるだけ広げて、俺たちの戦いはこれからだ! が許されるのはジャンプ打ち切りエンドだけですよ。

「ファルシュ・ドロレス・ヴァレンタインに纏わるこのたびの物語は、この観客の退場をもって閉幕となった――」

と最後に書けば未完でも格好良いよねという思考はまさに厨二ってやつでしょうが、別にそれを狙ったわけでもないでしょう。お願いですから完結させて下さい、それができないなら最初からサブタイトルに前編とか introductory chapter とか付けて下さい。

H シーンは、ストーリーのテンポを崩さないためとか何とかな理由で本編中には一切ありません。唐突に「H シーンが追加されました」とテロップが出てくるだけで、鑑賞はタイトル画面から回想を開いて見ろというタイプ。

ただしテロップが出たシーンに挿入される形のものではなく、特に状況や時期を限定しない殆ど if とか夢オチに近いノリのものです。なので実にオマケ的で、本編の状況とかは一切関知してません。主人公がただの変態に成り果ててます (本編では理想の教師像を云々するというギャップも相まって) 。

本編のライターとは違う 4 人が書いている (逆に本編のライターは一切書いていない) ようで、それぞれの個性が発揮されたテキストとなっています。ということでやはり本編の方とは素直に分けた考えた方が良いです。

ここが無駄に力入っているならまだ何かの救いになったかもしれませんが、基本的には短め。ちなみに主人公は H シーンだけ音声無し。とりあえずローの髪コキがあったところだけは高く評価します。

あと何か理由があるのか無いのかはっきりしませんが、鑑賞モードは音楽と回想だけで CG モードがありません。何でしょうね? 今時、CG モードが無いなんて全編アニメの何とかデイズものしか思い浮かびませんが。

演出としては立ち絵を一切使わず全編イベント CG という、過去幾度か試みられはしたもののその多くが払った高いコストに見合わない評価を得ているタイプです。

お決まりの立ち絵と背景の合成を使わないという意味では嘘を言ってませんけど、イベント CG を拡大してスクロールしたり、忘れた頃に再開したバトルとかでちょろっと動かしたりする程度を演出と呼ぶのはちょっと違うと思います。

背景と人物の構図・視点にまで拘った「ef」の映画的な演出を思うと、このタイプで勝負するならもっと手間をかけないと。枚数をかけるのも確かに一つの解ですが、悪戯に増やすだけでは演出とはなり得ないことも考慮すべきでは。

とはいえゴスロリ衣装なんて手間的に一番描きたくないだろうものをこの枚数描いた努力と拘りは賞賛に値します。多分、原画家と CG スタッフが最大の功労者です。

バグというか妙なところは地味にあり、明朝系のフォントを指定 (デフォルトの組み込みフォント) しているにも関わらず時折、一部の漢字だけがゴシック系になるという奇妙な現象がありました。

あとスクリプト用のテキストが露出したりという明らかにチェック漏れな箇所、テキストは「三人組」なのに音声は「二人組」だったりと。

  • よかったところ
    • ローとかレイミアとか、周りの雰囲気だけは良かったです
  • わるかったところ
    • 畳みきれないのに話を広げすぎ、もっと取捨選択が必要だったのでは

「このペド野郎」と罵られるぐらいに頭身の低いキャラがこうも堂々と出てきている作品はやはり貴重ですし、何だかんだで雰囲気は良いと思いますし、ヒューマンドラマと思えば主人公のエピソードも悪くないですし、良い素材が揃っているだけに、伏線とか回収する素振りも見せない投げっぱなしエンドがどうしても気になります。

多少歪であっても、ちゃんと畳んでくれた風呂敷なら受け取れますが、こういかにも投げましたって感じで渡されると、作品として本当にこの形で良いの? 本当にこれで満足したの? と思うわけです。

設定的な部分には下手に触れず全て読み手の想像に任せるって手もあったでしょうに。いかにもな伏線っぽいのを中途半端に出してしまい、しかもそれを完全放置しているのがこの不完全燃焼さの原因かと思います。

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