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- 4月の魔女の部屋 (著/星空めてお 発行/講談社 ISBN:978-4-06-138818-5)
ようやく入荷して到着。型月で公開されたのは結局読んでなかったりしたので購入。
夏海エンドでコンプ。
最後にタイトル画面に戻った時の読了感、これがハニカム文庫シリーズの魅力なのだと思います。
お手頃なミドルプライスのお手軽なボリュームでお気軽に物語を楽しめるハニカム文庫の新作、今回は音楽、青春、成長といったあたりをテーマにしたものになります。つまり音楽活動を通じた成長物語を青春ものっぽく描くと。
とりあえずエロをやってさえいれば許される低価格ものと違い、それなりのシナリオが求められるけど尺はフルプライス作品ほど取れないこの価格帯に作品に必要なのはただひたすら取捨選択です。何を取り何を削るか、その匙加減一つでテーマが際立つこともあれば霞むことさえ有るだけに技量とセンスが如実に表れるポイント。
音楽ものだけど演奏シーンなんて最小限、恋愛的なイベントさえも最小限、じゃあ何があるんだというと音楽に対する向き合い方とそれを通じた各々の過去との決別とこれからの歩み方、とやっぱり主体は青春ものっぽくキャラクタの成長に置かれています。
藍シナリオはちょっと絞りすぎたというかもう少し何か補足的なイベントが欲しいと感じましたが、より深く関わる桜と夏海シナリオについては程よい感じに纏まってると思います。
とはいえ、過去との決別とか言いつつ過去の描写が最小限だったりするし、やっぱり補足としてもう少し描写が欲しいと思うこともあるし、設定的にも詰めが甘い (音楽に力を入れているから音楽学校かと思ったけど普通の学園……?) のかただの説明省略し過ぎなのか、とちょっと気になるところはやはりあります。
だけどそんな細かい部分はさておいて、青臭い話だったのに妙に心地良い気分にしてくれる読了感が楽しめたのでそれでもう十分です。
駄妹の中の人はユースティアのラヴィだったとはすぐに気付けませんでした。ラヴィの時は良くも悪くも特徴が無い印象でしたが、駄妹になると演技に躍動感が出ていて良いです。こんなに上手い人だったとは。
特に一歩抜きん出た傑作だとか名作だとかではありませんが、程よい時間で程よく楽しめる良作です。ちょっと今回は今までより短めに感じたのは事実ですけど。
ハニカム文庫はこの路線で続けて欲しいところです。
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何かと思えばまた片手間に作りました的な。