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古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

ステマなのか何なのかちょびっと話題になった本作、とりあえず締めの感想まとめ。

概要

「名波行人、貴様がこの事象を経験するのは何度目だ?」

いわゆるループもの、そこに YU-NO のようにフローを用いたゲームシステムとシナリオとの融合があることが一番の特徴でしょう。微妙に使えないフロー系システムを実装する作品は多々あれど、シナリオとの融合を図ろうとした作品はそう多くありません。

また、選択肢の代わりに古のコマンド選択を彷彿とさせるようなキーワード選択 (D&D) による進行、さらに無駄に難易度高め、となかなか時代に逆行する作りです。

むしろそんなところに引かれて外れ覚悟で予約しましたが結果的には大当たりと。

理不尽な難易度か、適度なストレスか

「その一瞬、自分の行動、輪の中にいる人間の行動、言葉――全てに注視しろ。見逃すな、聞き逃すな」
「人の運命を変える手立ては、一瞬と考える時間に含まれている。言葉であれ、行動であれ……変化を逃してはならない」

この言葉の重みは、その直後に講釈される紅茶の淹れ方を適当にスルーしてしまった多くの人が実感したはず。

キーワード選択は古典的 ADV のアイテム選択のようなもので、必要なシーンで幾つかある適切なものを選択するか、あるいはスルーするかで分岐するというもの。しかしある程度、用途を固定化できるアイテムと違って言葉には解釈の幅、さらには動詞か名詞かと考える必要があり、懸念した通り「どうしてこのキーワードが通らないのか」と悩むことがあります。

サキの言葉通り、必要とされるキーワードのヒントや答えは確かに過去の一瞬の行動や言動に隠れています。多少、理不尽な推測や連想が必要なのもあった気がしますが。

一応、救済策としてほぼ答えに近いヒントがあり、何の役にも立たないプライドを捨てれば詰まることは恐らくないはず。なので難易度自体は、手間が掛かることを除けばそこまで言うほどの高難易度でもありません。

むしろ、コンプを目指そうとすると精神的疲労を強いられることの方が高難易度というか。キーワードもフローも 100% にならないと CG もコンプできないとかなかなか鬼な作りですいや本当に。

フローについては作中の概念である運命量とも関係した幾つかのルールがあり、その制限が (恐らくは) 適度なストレスを作っています。

運命量まわりで苦しむのは主に序盤で、流れが読めてキーワード選択にミスらなければほぼ困らないあたり、もうちょっと作り込みが欲しかった気もします。紅茶を淹れられなくて苦しんだことを思うとあのぐらいで丁度良かったのかもしれませんが。

ゲームを楽しむ上である程度のルール、即ち制限やストレスというのはあって然るべきと思えれば、この運命量もそれなりに面白いものなのですが、合わない人には恐らく合わないところでしょう。

たとえば古典的 ADV のような「正解を引くまで総当たりでキーワード選択を繰り返す」作業は本作ではありません、というのもそんなことしてたら運命量が枯渇するので不可能です。そんな古典的な作業ゲー化を避ける意味で、なかなかこの運命量システムは面白い発想だとは思ったのですが。

フローは確かにシナリオとリンクはしているのですが使い勝手はあまり良くはないです。線が薄くて見えにくい、背景模様が目立つ、全イベントにジャンプできるけどサブタイトルだけで日付がない、となかなかに困った作り。特に困るのは日付が無いところぐらいなので、記憶と適当でも何とかなると言えばなるのですけども。

ちなみに本作はセーブやロードといった概念もありません。全てフローで何とかしろと言うことです。

荒削りか原石か

「あえて言わせてもらうならば――悲劇へようこそだ、名波行人」

「たとえこれが悲劇だと言われても、あなたと過ごせて楽しかった」(ReNN) と返すべきか。

システム面の荒削りぶりから容易に想像が付くように、シナリオもまた荒削りです。限られた一定時間内を描きながらもループにより深みを出すことができるのがループものの醍醐味なわけで、本作もそこをある程度使ってくれてはいます。

が、その前に主人公の変化や設定面の説明不足、殺し文句的に有無を言わせない概念で押し通すあたりがどうにも力業。ここをもう少し詰めることができれば、もう二、三歩は抜きんでられそうなのですが惜しい。

では何が面白かったのか

システムもシナリオも荒削り、しかしそれでも本作をこれほど面白く感じたのは単純に、明確な目的 = 餌をちゃんと目の前にぶら下げ、狂った運命の輪を彷徨うお話が面白かった、に尽きます。

あるときは理不尽に、あるときは残酷に、あるときはあと一歩まで、と「先を気にさせる興味」を常に持たせてくれました。それに加えて、フローやら運命量やら無駄に手間を掛けさせてくれる難易度やら、と良い材料が揃ってるのですから面白く無いわけが有りません。

え、どれも何処かで見たようなネタだって? 既存のネタを使っただけで面白くなるなら、えろげの学園ものは全部名作揃いだね?

  • よかったところ
    • 古典的 ADV を思い出させるような仕様とループシナリオ
  • わるかったところ
    • 全般に漂う荒削り感、逆にこれが味だという考えもある

ループもの好きとしては、久々に楽しめるループもので大当たりに入れて良い出来でした。たまにこういうのが出てくるから、えろげは面白い。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

最後の CG 回収で、ようやくフロー 100% 、キーワード 100% でコンプ。既読スキップ使用とはいえ、ほぼ 3 周近くもやり直すとか思いませんでした。何という理不尽難易度。

しかし手こずらせてくれた分、満足感と達成感も一入というのは否定できないところです。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

どうにもラスト 2 つのコインが見れないので、攻略を頼ってみてようやく、もう既に見ることができない状態のイベントだという結論に達しました。

ということで楽しい楽しいやり直しプレーですね。この理不尽なフラグとか難易度とか、本当に何年前の ADV のノリですか。素晴らしい。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

やっとサキエンド。

はい、色んな意味で長かったです。でもループものとして相当に楽しめました。この時点でフローは 92% 。

手頃そうなところからやり直して和奏エンド、美月さんたちエンド、さらにやり直して
キーワードはコンプ、フローは 99% 。ラスト 2 個のコインを残すのみ。

未通過イベントは、未通過コインの付近に飛んでそこでのキーワード選択を誤れば良いようで。キーワードの選択が選択肢だというのをすっかり忘れてました。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

ようやく 7/5 まで。一週間の命のはずなのに、ここまで進むこと自体が難しいとかなかなかやってくれます。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

進め方が分かってくると面白いのですが、時々ちょっとばかり面倒にも思いますね

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

噂のシグナル 11 エラーで再会できなくて悩みましたが、丁度本日出ていたパッチを当てたら無事開始できました。

今までやってた人はどうやって回避してたんでしょうねこれ。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

“運命の輪” はただのシナリオ上の要素では無く、ゲームシステムでもあるというのをようやく実感してきた感じ。

古典的なコマンド選択式にある「正解を引く or フラグが立つまで何度でも挑戦」という作業要素を敢えて制限し、それでもやり直そうとして同じ轍を踏む行為もまた歪みを生むものとする。こんな昔懐かしいノリの ADV って久々ですね。

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

OP ムービー終わって少し進んだところまで。

放置しておくとムービーが 3 回ぐらい繰り返されたのでクリックして止めたのはともかく、ドロップするキーワードが外れだと誰かが死んでやり直す Dead or Alive っぷりに泣きそうですが面白いです

古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~

初日まで。

キーワードを投げるシステムってどんなのかと思ったら文字通り D&D で投げるということのようです。複数のキーワードを使うこともあるというのはなかなか難しそうな。

思った通り、一昔前のアイテム利用系 ADV のそれに近いようなので、それら並に楽しめるといいなと。